Claude Codeで固定資産の現物の記録を整える!中小企業のための資産ごとの置き場所と使い手の一覧づくりと帳簿に残す資産・除却を確かめる資産を分ける判断材料整理ガイド

著者:(株式会社Piste)

Claude Codeで固定資産の現物の記録を整える!中小企業のための資産ごとの置き場所と使い手の一覧づくりと帳簿に残す資産・除却を確かめる資産を分ける判断材料整理ガイド

この記事の要点

2026年10月17日 ・ 読了目安 約9分

「会計ソフトの固定資産の一覧に載っている機械が、工場のどこにあるのか誰も言えない」「三年前に捨てた棚が、帳簿の上ではまだ償却を続けている」「反対に、去年買った大きな工具が帳簿に一行もない」。中小企業では、固定資産の記録が、会計ソフトの固定資産の一覧、買ったときの納品書、担当が撮った写真、置き場所を知っている人の記憶、税理士に送った書類の控えに分かれて残ります。帳簿に載っている資産が今どこにあって誰が使っていて、まだ動いているのか、もう捨てたのかを、一枚に並べて見たことがある会社は、ほとんどありません。

その結果、何が起きるか。決算のたびに税理士から「この資産はまだありますか」と聞かれ、社長が倉庫を思い浮かべて「たぶんあります」と答える。とうに処分した資産の償却資産税を払い続けている。反対に、現物はあるのに帳簿にないため、壊れたときに修繕か買い替えかの判断の根拠がない。固定資産の本当の問題は、経理の几帳面さや税理士の腕ではなく、帳簿の一覧と現物の置き場所と使い手を一度も突き合わせたことがないため、帳簿に残す資産と、除却を確かめる資産を分けられないことです。

この記事では、Anthropic社の公式AIコーディングツール Claude Code を使って、会計ソフトの固定資産の一覧、納品書、写真、担当の手帳、置き場所の記憶に散らばった固定資産の記録を一つの一覧にそろえ、資産の向きと置き場所の向きで並べ、帳簿に残す資産と除却を確かめる資産を見分ける材料を整えるまでの手順を、非エンジニアの方向けに整理します。先にはっきりさせておきたいのは、帳簿の上でどう扱うか、つまり除却の処理、減価償却の計算、償却資産税の申告は、税理士などの専門家と確かめることです。この記事で扱うのは、その手前の「何がどこにあって誰が使っているか」を並べる作業までです。なお、パソコンやスマホの台帳づくり、設備の点検の記録、保証書の期限、工具の貸出の記録は、それぞれ別の記事で扱いました。この記事は、帳簿の一覧を起点にして現物と突き合わせるところに照準を当てます。

目次

固定資産の現物の記録が「見えない」3つの理由

固定資産の現物の記録が「見えない」3つの理由

見えないのは、経理の几帳面さや現場の整理整頓の問題ではありません。見えない構造が、仕事の側にあります。

1. 帳簿に載る瞬間と、置き場所が決まる瞬間が違う

固定資産は、買ったときの請求書をもとに、経理か税理士が会計ソフトに登録します。登録されるのは、資産の名前と取得日と金額と耐用年数までで、どこに置いたか、誰が使うかは、帳簿に書く欄がありません。一方、現場では搬入の日に置き場所が決まり、その後も「邪魔だから二階に上げた」「新しい機械が来たので奥に寄せた」と動きます。帳簿の側は買った日のまま止まり、現物の側は動き続けるため、三年もたつと、帳簿の一行がどの現物を指しているのか、誰にも分からなくなります。

2. 捨てた記録は、買った記録よりはるかに残らない

買ったときには、請求書も納品書も残ります。しかし、壊れて廃棄業者に引き取ってもらったとき、下取りに出したとき、知り合いに譲ったときの記録は、引き取りの伝票が一枚あるかないかです。その伝票は現場の担当の引き出しに入り、経理には「もう無い」という事実が届きません。帳簿の上では資産が生き続け、償却が続き、償却資産税の申告にも載り続けます。捨てたことを帳簿に反映するには、誰かが経理に伝える必要がありますが、「捨てた」は仕事の終わりの出来事なので、伝えるべき出来事として認識されにくいのです。

3. 償却が終わった資産は、帳簿からも関心からも消える

耐用年数を過ぎて償却が終わった資産は、帳簿の上では備忘価額の一円だけが残り、経費としての動きがなくなります。動きがない行は、決算のたびに目を通す対象から外れていきます。しかし現物は、償却が終わったあとも十年、二十年と使われていることが珍しくありません。古い旋盤、古い冷蔵庫、古いフォークリフト。壊れたときに「これは帳簿にあるのか、保険の対象なのか、買い替えの予算はどう見るのか」と初めて探し、どこにも整理された記録がないことに気づきます。

固定資産の現物の記録が見えないのは、帳簿に載る瞬間と置き場所が決まる瞬間が違い、捨てた記録が買った記録より残らず、償却が終わった資産が帳簿からも関心からも消えるからです。この三つは、いずれも機械に任せて軽くできる種類の問題です。

機械に任せる範囲と、人が決める範囲

大前提として、どの資産を除却するか、帳簿の上でどう処理するか、償却資産税の申告をどう直すか、壊れた資産を修繕するか買い替えるかは会社の営みと税務の判断であり、人が決め、税理士などの専門家と確かめることです。機械に任せるのは、散らばった記録を集めて資産ごとにそろえ、帳簿の一行と現物の置き場所と使い手を横に並べ、帳簿にあって現物がない資産、現物があって帳簿にない資産、償却が終わっても使い続けている資産に印をつけて、比べられる形にするところまでです。

工程担当内容
記録の収集機械会計ソフトの固定資産の一覧・納品書・写真・担当の手帳から、資産の名前・種類・取得日・取得価額・耐用年数・償却の状況・置き場所・使い手を拾い出す
資産ごとのまとめ直し機械同じ資産の記録を、名前と型番と取得日を手がかりに一つの資産の下にまとめ、帳簿の行と現物の記録を対にする
一覧化機械帳簿の番号・資産の名前・種類・取得日・取得価額・耐用年数・償却の状況・置き場所・使い手・最後に現物を見た日・状態・根拠の書類を一行にそろえる
種類づけ機械帳簿にあって現物も確かめた資産・帳簿にあって現物が見つからない資産・現物があって帳簿にない資産・償却が終わって使い続けている資産・処分の記録はあるが帳簿に残っている資産に分ける
帳簿との突き合わせ機械一覧の資産と、会計ソフトの固定資産の一覧と、償却資産税の申告の控えを突き合わせ、一方にしかない行に印をつける
置き場所ごとの並べ直し機械工場・事務所・倉庫・車両のように置き場所ごとに資産を並べ、一度歩けば確かめられる順にする
判断人どの資産の除却を税理士と確かめるか、帳簿にない現物をどう扱うか、償却が終わった資産の買い替えをどう見るか

機械の仕事は「並べる」まで、人の仕事は「決める」ところからです。この線を先に引いておくと、一覧が出てきたときに「で、どうするか」を迷わずに済みます。

実務5ステップ

実務5ステップ

ステップ1:固定資産の記録を全部洗い出す

まず、会計ソフトから固定資産の一覧を書き出します。帳簿の番号、資産の名前、取得日、取得価額、耐用年数、帳簿の価額が入っていれば十分です。次に、直近五年分の納品書と請求書のうち、十万円を超える物の買い物を集めます。担当が撮った設備の写真、置き場所を書いた手帳のページ、廃棄業者の引き取りの伝票も集めます。全部そろわなくてかまいません。Claude Codeにフォルダを渡し、「会社の固定資産の記録を、資産ごとに一行の一覧にしてください。帳簿の番号、資産の名前、種類、取得日、取得価額、耐用年数、償却の状況、置き場所、使い手、最後に現物を見た日、根拠の書類の欄をつくってください」と頼みます。置き場所と使い手が書類に無い資産は、欄を空のまま残させます。

ステップ2:資産ごとにまとめ、種類と根拠をつける

出てきた一覧には、同じ資産が帳簿の行と納品書の行で二つに分かれていることがあります。「同じ資産とみられる行は一つにまとめ、どの書類が根拠かを残してください」と頼み、まとめ方が怪しいところは人が目で確かめます。次に、各行に種類をつけさせます。帳簿にあって現物の記録もある資産、帳簿にあって現物の記録が見当たらない資産、納品書はあるのに帳簿にない資産、償却が終わって帳簿の価額が一円になっている資産、引き取りの伝票があるのに帳簿に残っている資産、の五つです。種類は機械が仮につけ、人が直します。

ステップ3:資産の向きと、置き場所の向きで並べる

同じ一覧を、二つの向きで並べ直させます。一つは資産の向き。帳簿の番号順に並べ、帳簿の一行ごとに現物の記録が対になっているかを見ます。もう一つは置き場所の向き。工場、事務所、倉庫、車両、社外に預けている物、のように置き場所ごとに並べ、一覧を持って一度歩けば順に確かめられる形にします。置き場所が空の資産は「置き場所不明」としてまとめ、これが現物確認の最初の対象になります。

ステップ4:気になる点に印をつけ、動き方の候補を分ける

並べ直した一覧を持って、社内を一度歩きます。現物があった資産には最後に見た日と状態を書き、無かった資産には「見つからず」と書きます。歩き終えたら、Claude Codeに「帳簿にあって見つからなかった資産、現物があって帳簿にない資産、償却が終わって使い続けている資産、引き取りの伝票があるのに帳簿に残っている資産を、それぞれ別の表にしてください」と頼みます。ここで出る四つの表が、税理士と話す材料になります。見つからなかった資産は除却を確かめる候補、帳簿にない現物は登録を確かめる候補、償却が終わった資産は買い替えの予算を考える候補、伝票があるのに残っている資産は帳簿の直しを確かめる候補です。どれをどう扱うかは人が決め、税務の処理は税理士と確かめます。

ステップ5:決まりをつくり、年に一度確かめる

一覧ができたら、増やさないための決まりを三つだけつくります。一つ、十万円を超える物を買ったら、納品の日に置き場所と使い手を一覧に一行足す。二つ、資産を捨てた、譲った、下取りに出したときは、引き取りの伝票の写真を一覧の行に添えて経理に回す。三つ、決算の前に一度、一覧を持って社内を歩き、最後に見た日を更新する。年に一度、Claude Codeに「最後に見た日が一年より前の資産と、帳簿と一覧で食い違っている資産を出してください」と頼めば、確かめる対象が自動で出てきます。

頼み方3原則

原則1:一覧に入れる項目を、こちらから指定する

「固定資産の一覧をつくって」とだけ頼むと、機械は会計ソフトの項目をそのまま並べます。それでは帳簿の写しができるだけで、現物の情報が入りません。置き場所、使い手、最後に現物を見た日、状態、根拠の書類、という現物側の欄を最初から指定します。欄があれば、空のままでも「埋めるべき場所」が見え、歩いて確かめるときの手がかりになります。

原則2:金額と日付は、帳簿と書類にある言葉で書かせ、推測させない

取得価額や取得日は、帳簿と納品書に書かれているとおりに転記させ、「おそらくこのくらい」と埋めさせません。置き場所と使い手が書類にない資産は、空欄のままにさせます。機械は空欄を嫌って「工場」「社長」のようにそれらしい値を入れたがりますが、推測で埋まった一覧は、帳簿と現物を突き合わせる道具として使えなくなります。「書類にないものは空欄にしてください」と、毎回添えます。

原則3:一覧の資産を、会計ソフトの固定資産の一覧と申告の控えと突き合わせる

一覧ができたら、必ず会計ソフトの固定資産の一覧と、償却資産税の申告の控えと突き合わせます。一方にしかない行、金額が食い違う行、名前が違うので同じ資産か分からない行を印つきで出させます。突き合わせを飛ばすと、一覧と帳簿が別々に育ち、半年後にはまた二つの記録ができあがります。一覧は帳簿の代わりではなく、帳簿と現物をつなぐ道具だと、はじめに決めておきます。

つまずきやすい5つの型

型1:一覧を帳簿の代わりにしてしまう

一覧ができると、会計ソフトを見なくなり、一覧の金額や耐用年数を正と思い込むことがあります。帳簿の処理は税理士が会計ソフトで行い、一覧はそれと突き合わせるための道具です。一覧の側で勝手に資産を消したり金額を直したりせず、気づいたことは税理士に伝えて帳簿の側で直してもらいます。

型2:全ての資産の写真をそろえてから始めようとする

「写真がない資産があるから、まず全部撮ってから」と考えると、いつまでも始まりません。写真がなくても、帳簿の一行があれば一行は書けます。置き場所と使い手が空のまま一覧をつくり、歩いて埋める順にします。写真は、歩いたときに撮れた分だけ添えれば十分です。

型3:少額の物まで一覧に入れて、動かなくなる

固定資産の一覧は、帳簿に載っている資産と、十万円を超える買い物に絞ります。工具や備品を全部入れると、行が数百に膨らみ、歩いて確かめることが現実的でなくなります。細かい物は消耗品の記録や貸出の記録のほうで扱い、この一覧は帳簿と対になる資産に限ります。

型4:見つからない資産を、確かめずに除却してしまう

「見つからないから除却」と一覧の上で決めてしまうと、あとで倉庫の奥から出てきたときに帳簿の直しが二重に要ります。見つからない資産は「見つからず」のままにし、もう一度だけ置き場所の候補を当たり、それでも無ければ、除却の処理の可否を税理士と確かめます。除却は税務の処理なので、一覧の側で完結させないことが大切です。

型5:一覧をつくって、決まりを一つも変えない

一覧をつくった達成感で終わると、一年後には買った資産と捨てた資産がまた帳簿の外にたまります。買った日に一行足す、捨てた日に伝票を添える、決算の前に一度歩く、の三つのうち、まず一つだけ始めます。全部を一度に始めるより、一つを続けるほうが、一覧は長持ちします。

業種別の効きどころ

業種効きどころ
製造業・加工業旋盤・プレス・溶接機など置き場所が動く機械と、帳簿の番号を対にする。償却が終わった古い機械の買い替えの予算を、一覧から考えられる
建設業・設備工事業現場に持ち出した発電機・高所作業車・測定器が、どの現場にあるかを置き場所の欄で追う。社外に預けている資産を別にまとめる
飲食業・小売業厨房機器・冷蔵庫・什器が店舗ごとに散らばるのを、店舗の向きで並べる。閉店した店舗の資産が帳簿に残っていないかを確かめる
運送業・物流業車両と荷役機器を帳簿の番号と車台番号で対にする。下取りに出した車両が帳簿に残っていないかを引き取りの伝票から突き合わせる
医療・介護・福祉医療機器・介護用ベッド・送迎車を、設置の部屋と使い手の向きで並べる。保守の対象と帳簿の資産がずれていないかを見る
事務所中心の業種複合機・サーバー・什器・間仕切りを、フロアの向きで並べる。償却が終わった什器を数え、移転や模様替えのときの処分の判断に使う

よくあるご質問

資産は二十件ほどで、全ての置き場所は頭に入っています

二十件のうち、帳簿の番号と現物が対になっているかを、今この場で言えるでしょうか。置き場所が頭に入っていても、帳簿の側にその情報はありません。社長が不在の日に税理士から問われたとき、誰が答えるかを考えると、二十件でも一覧にしておく価値があります。一時間で終わる作業です。

除却や償却の判断まで、機械にやってもらえますか

やらせません。除却の処理、減価償却の計算、償却資産税の申告は税務の処理であり、税理士などの専門家と確かめることです。機械がやるのは、帳簿と現物の食い違いを表にして、税理士と話す材料をそろえるところまでです。材料がそろっていれば、税理士との打ち合わせが短く、的確になります。

会計ソフトに固定資産の一覧があるので、それで十分ではないですか

会計ソフトの一覧には、置き場所と使い手と最後に現物を見た日の欄がありません。帳簿の一覧は「いくらで買って、いくら償却したか」を答え、この記事の一覧は「どこにあって、誰が使っていて、まだあるのか」を答えます。二つを突き合わせて初めて、帳簿に残す資産と除却を確かめる資産が分かれます。

どれくらいの時間がかかりますか

会計ソフトの一覧と納品書を取り込んで最初の一覧が出るまでは、資産の数にもよりますが一時間ほどです。一覧を持って社内を歩くのに半日から一日、見つからない資産を当たり直すのに一週間ほど、そのあとは買ったとき捨てたときに一行ずつ足し、決算の前に一度歩くだけです。

まとめ

Claude Code導入サポートのご案内

「自社の会計ソフトの固定資産の一覧と納品書を、この記事の手順で一覧にしてみたい」「どの記録を渡してよくて、どの記録を渡してはいけないか分からない」という方向けに、Claude Codeの導入サポートを承っています。

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これまで多くの中小企業や一人社長の方の業務自動化をお手伝いしてきた経験をもとに、固定資産の記録に限らず、日々の事務の中で「並べていないから見えない」「見えないから決められない」仕事を減らすお手伝いをしています。